2021.10.25
税務
商品を販売したりサービスを提供した場合に、お客様の要望により販売店側は売上代金に係る領収書の発行を求められる場合があります。
この領収書は印紙税法の「売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書」として課税文書(第17号の1文書)に該当し、5万円未満の場合を除き印紙を貼り付けなくてはならないこととされています。
まずは、一般的な売上代金に係る印紙税の取扱いを確認してみましょう。
■印紙の貼り付けが必要な場合
・現金を受領した場合
・銀行振込により受領した場合
・デビットカードによる決済があった場合
即時決済性があるため、領収書を発行する場合は印紙の貼り付けは必要となります。ただし、「口座引落確認書」として、単に口座からの引落し事実のみを通知するものであれば、課税文書に該当せず印紙を貼り付けなくても大丈夫です。
■印紙の貼り付けが必要ない場合
・クレジットカードによる決済があった場合
店頭では金銭の受領事実はない(即時決済性がない)ことから、領収書の但し書きで「クレジットカード利用」と記載することで、不課税文書となり印紙を貼り付けなくてよいこととされています。
■電子マネーによるコード決済の場合
日常生活でキャッシュレス決済の機会が急速に増えてきましたが、電子マネーのコード決済の場合に販売店側が発行する領収書に印紙は必要なのでしょうか?
最近流行っている電子マネー(PayPay、d払い、ICOCAなど)のコード決済があった場合の印紙税の取扱いを確認してみましょう。
・チャージ方式(先払い方式)、即時払い方式
デポジットしたお金からの決済であれば領収書への印紙の貼り付けは必要とされています。加盟店側(販売店側)にすぐに入金されるような即時払い方式の場合も、商品等の代金を受領していると評価できることから、印紙の貼り付けは必要と考えられるようです。
・ポストペイ方式(後払い方式)
クレジットカードの使用等として後日支払う方式であれば、領収書への印紙の貼り付けは不要とされています。
実は、経済産業省からも「コード決済を行った際の領収書等の印紙税の取扱いについて」という文書が発表されておりますが、実務上はまだまだ不明確な点が多いのが現状です。
販売店側がお客様の支払の際にチャージ方式ですか?それともポストペイ方式ですか?といちいち聞く訳にもいかず、これから実務上の取扱いが明確になっていくものと考えられます。